ビッグデータとは何か?その意味や活用例・導入の際のポイントを解説

ビッグデータとは

ビッグデータとは、一言でいえば、これまで企業が取り扱っていた以上の多量かつ多様なデータを指します。企業は、事業に役立つ知見を獲得するため、ビッグデータを活用します。

目的を達成するためには参考とする情報の正確性は必須ですが、精度の高い知見を得るには、十分なデータ量が必要です。また、ビッグデータは一般的にデータ量の大きさがクローズアップされますが、もう一つの特徴は対象となる情報の種類の豊富さです。

企業が日常的に取り扱う構造化されたデータに留まらず、音声や動画、SNSのコメント、位置情報データなどのさまざまな非効率化データ(データベースでの管理が難しいデータ)も含まれます。また、データの更新頻度が多い点も特徴のひとつです。例えばTwitterやFacebookなどのSNSでは、毎秒ごとに新たなコメントがなされ、情報量が増えています。また、店舗のPOSデータや交通ICカードの乗車履歴等も同様です。こうしたビッグデータを分析することにより、新産業の創出や精度の高い未来予測等が可能となってきています。

また、AIを活用した業務効率化や利用者各人のニーズに合わせたサービスの提供など、ビッグデータは様々な分野での活用が期待されています。

ビッグデータの活用例

ビッグデータの具体的な活用例を見ていきましょう。

Suica(スイカ)

交通系のICカードにおいては利用者の移動履歴をもとに、駅の利用状況を利用者層別に細かく分析することが可能です。分析した情報は新規出店の検討や駅内の広告出稿等に活用されています。

Nシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)

元々は、走行中の車両のナンバーを読み取り手配中の車両との照合を取ることが目的のNシステムも、ビッグデータの一つです。区間ごとの通過時間を計測し、渋滞の予測やドライバーへの警告に使用されています。近年は、スピード違反の取り締りにも利用しようとの動きもあります。

監視カメラ

映像を記録するのが主たる目的の監視カメラですが、この記録された膨大な情報を分析して活用する動きも出ています。例えば、店内の画像情報から顧客が手に取ったものの購入に至らなかった商品の情報を分析し、販促・マーケティング戦略の立案に役立てます。

また、自動販売機に取り付けられたアイトラッキング (視線計測)を分析し、商品の位置を変更した結果、売上が増加したといったケースもあります。なお、画像情報の扱いは個人の特定に繋がる可能性もあり、慎重に取り扱う必要があります。

GPS

ナビに活用されるGPS機能ですが、タクシー業界ではGPSで測定した乗客の乗車位置情報を蓄積・分析することによって、月・曜日・時間帯ごとにどこで利用者が増えたか地図上で把握可能になりました。また、長距離乗車が多い曜日や場所を割り出し、長距離乗車目的の客を効率よく獲得するといった活用もされています。

ビッグデータの活用に関して

ビッグデータの活用においては費用対効果の検証が難しいこと、活用目的を明確化し、必要に応じて対象とする情報を限定することを理解する必要があります。 一般的には企業内で新たなことにチャレンジする場合、費用対効果が重要とされます。

しかし、ビッグデータの活用においては試行錯誤を繰り返し、分析や知見獲得のノウハウを蓄積していくため、明確な成果が得られるには時間が必要です。このため、ビッグデータの活用において、事前に費用対効果の検証を行うことは難しいといえます。

ビッグデータの活用を進めるのであれば、費用対効果を重視しがちである経営層の意識改善が欠かせないでしょう。 また、ビッグデータは対象とする情報が多岐に渡るため、場合によっては自ら対象とする領域を設定する必要があります。

その設定にあたっては何を対象とし、どのような知見を得たいのかイメージを付けることが大切です。 また、ビッグデータを活用したいものの、どのようにビジネスにつなげれば良いか分からない場合は、市場調査会社を活用し、他社がどのような使い方をしているのか、参考となる情報を収集し、自社に役立てるのが良いでしょう。

ビックデータの活用はすぐに結果に結び付かないかもしれませんが、いち早く取り組むことで新たな知見を得て、他社に先駆けて新しいビジネスを産み出すことができるかもしれません。積極的に活用を検討してみましょう。

 

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