アライアンスとは?概要を理解しよう
アライアンスとは
アライアンスは英語で「提携」「同盟」などの意味を持つ言葉で、ビジネスの世界では企業同士が業務提携を交わす経営スタイルを指します。日本においては、経済のグローバル化が進み、国際的にも企業提携が活発化し出した1990年代後半からアライアンスという言葉が使われるようになりました。
アライアンスを交わることによって、提携先の技術や資本・人員などのリソースを共有することが可能となり、自社単独で行うよりも既存事業の拡大や新規事業のスタート等が容易になります。また、アライアンスにおいて当事者間は協力関係にあり、対等な立場で事業を展開できるのが特徴です。
アライアンスの種類とM&Aとの違い
アライアンスにはいくつかの種類があり、ここでご紹介します。また、混同しやすいM&Aとの違いも解説します。
1.業務提携
販売促進・技術開発・資材調達等、業務面におけるアライアンスを組むことを業務提携と言います。業務提携は一般的なアライアンスのパターンだと言えるでしょう。
例えば、生産提携した場合、提携先に自社商品の生産を一部委託できるため、売上が好調で生産が追い付かない時に有効です。 また、販売提携の場合、他社が保有する販売ルートや販売ノウハウを活用できます。商品力はあるが販売チャネルの不足が原因で思うように売上が伸びない企業におすすめです。
技術提携の場合、互いの保有する独自技術や優秀な人材を共有することにより、付加価値の高い商品開発や開発スピードの短縮化につながります。
2.資本提携
企業同士がお互いの株式を持ち合うことを資本提携と呼びます。お互いの株式を保有し合うことにより、業務提携よりもさらに高いレベルでの提携関係が期待できます。
なお、共有する株式の比率が大きすぎると、経営権が脅かされる可能性があるので、保有比率はそこまで高くしないのが一般的です。
3.オープンイノベーション
他社や大学、研究機関などの外部から広く技術やアイデアを持ち寄り、画期的な技術や製品開発に繋げることをオープンイノベーションと呼びます。
オープンイノベーションにおいては、大学や高専などの教育機関と提携する産学連携のスタイルが多く、学校側も研究開発にかけられる資金は限られているため、アライアンスにより、企業の資金を研究に活用できるメリットがあります。
M&Aとの違い
M&Aは合併や買収を意味する言葉であり、企業や事業同士の統合を指します。一方、アライアンスはあくまで提携関係にとどまり、企業同士の独立性は確保されています。
一つの企業や事業に統合するM&Aに比べて、アライアンスはコストがかからずスピーディーに展開できるのが利点です。また、万一思惑が外れた場合、提携解消の手段を取るのも難しくなく、M&Aと比べるとリスクを抑えた上で実行しやすい施策といえるでしょう。
一方、アライアンスにもいくつのデメリットがあります。まず、アライアンスにおいてはあくまで協力関係にとどまるため、どこまで効果が発揮できるのがわからない側面があります。
また、自社の独自技術やノウハウ等が漏洩するリスクも生じます。提携解消後の情報の取り扱いも含め、契約書に明記するなど情報の漏洩リスクには最大限の注意を払う必要があります。
アライアンスをうまく活用する
アライアンスを交わすことにより、新たなノウハウや経営資源が持ち込まれるため、自社の強みを伸ばしたり弱みを解消したりすることが可能となります。
また、独立性が確保されているので、経営戦略や企業理念といった企業の核となる部分にまで口を出される心配がないのもメリットです。 新規分野への参入や、既存事業拡大を図る際には、アライアンスは有効な手法の1つであり、積極的に検討してみましょう。
また、提携先を探したい場合には市場調査会社の活用をお勧めします。提携先候補の事業規模や事業内容等の提携を検討する上で重要な情報を収集してもらうことができ、 提携先を検討する際に大いに役立ちます。
アライアンスを検討するには、市場調査会社の活用した情報収集も併せて実施しましょう。