自動車部品のリサイクルの概要と市場動向を把握しよう

自動車部品のリサイクルとは

自動車部品のリサイクルとは、主に廃車となった自動車の部品を再利用することを指します。動かすことが難しくなった自動車でも、部品単位では再利用できるものも存在しています。なお、自動車部品のリサイクルには3種類あり、再利用できる部品を取り出して選別・洗浄をして点検・品質チェックを行った自動車部品「リユース部品(リユースパーツ)」、廃車から取り出し、そのまま再利用できる部品、または修理した際に発生した交換部品をコアとし、分解・劣化・摩耗した部分を交換して組み立てて商品化した「リビルト部品(リビルドパーツ)」などがあります。

こうした部品は自動車の修理時に使用されており、修理を行う際にリサイクル部品の使用を希望することもできます。このように使える部品を再利用することは、資源の有効活用に繋がり、国も後押ししています。なお、2001年4月に施行されたグリーン購入法においては自動車部品が指定品目の対象となっており、リサイクルを推進しています。

自動車部品のリサイクル市場動向

自動車部品のリサイクルについては、2002年7月に施行された自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)において使用済み自動車のリサイクルと適正処理について定められています。当法律では自動車メーカーと自動車輸入業者に対し、エアバッグやフロン類、シュレッダーダストなどの引取とリサイクルを義務付け、自動車の所有者に処理費用の負担を定めました。シュレッダーダストに関しては、2015年以降リサイクル率を70%に設定する予定を2008年に前倒ししたところ、2013年度には自動車リサイクル率が99%に上昇しました。

こうした取り組みに加え、自動車メーカーではリサイクルを前提としたクルマづくりを進めています。トヨタ自動車では省資源とリサイクルを考えたクルマのライフサイクルを意識した自動車の開発設計や植物由来プラスチックの活用拡大などの取り組みを行っています。

なお、自動車部品のリサイクル市場はコロナ禍に伴い使用済み自動車と入庫台数はいずれも減少した影響もあり、市場規模は減少傾向となっているものの、コロナ禍の影響が減退しつつある現在は回復基調となっています。

今後の展望について

使用済み自動車の内、ドアやミラー、エアコンなど使用できるものはリサイクルされています。さらに部品を抜き取った後の車体も、プレスした後にシュレッダー業者によって破砕され、鉄やアルミ製品としてリサイクルできるものと鉄くずに分類され、現在も回収されます。

自動車リサイクル法施行以来、部品リサイクル技術は向上しており、最近では自動車の設計段階で環境配慮設計を施すことによりリサイクルしやすい材料を使用した構造の自動車が増えています。これらに加え、エアバッグやシートベルトといった自動車部品をリサイクルし、別ジャンルのファッション雑貨や家具などへのアップサイクルも注目されています。

こうしたことや環境考慮したモノづくりへの意識は世界レベルで高まっていることもあり、自動車部品のリサイクル市場は成長を続けると予想されており、2027年には2021年の市場規模の2倍に達するとの見立てもあり、大きな成長が期待されています。

このようにとても魅力的な市場ですが、技術の進展が早いことや参入プレーヤーが多いこともあり、競争に打ち勝つのは容易ではありません。

事業を成長させ、収益拡大を図っていくには現状のマーケットを把握することが重要であり、そのためには市場調査やマーケティングリサーチの実施が欠かせません。これらを実施することにより、市場ニーズや動向についての理解が深まります。しかし、自社で市場調査を行うには限界があるため、プロの市場調査会社に依頼することをおすすめします

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