7つの参入障壁から考える新規参入の可能性
新規参入における参入障壁とは
新規参入においては、まだ成熟していない市場へ参入することもあるでしょう。成長市場であれば市場規模が拡大し、先行している企業と新規参入企業は成長の果実を分かち合うことができるかもしれません。
また新しい市場であれば、参入メーカーのブランドが確立されていない段階ので、新規参入企業がブランドを浸透させる余地があります。一方、成熟市場となると市場の伸びが期待できず、参入メーカーのシェアやブランドが固まっていることも多いので、新規参入の難易度は高くなります。
顧客に対して従来とは異なるサービスを提供して差別化を図り、ブランドを確立できるよう絶え間ない努力をすることが求められます。後発組である新規参入者が成功するためには、工夫が必要です。
このように新規参入を難しくしている要因(参入障壁)があり、こうした障壁にどう対処するのか、新規参入を検討する上で考えなければいけないでしょう。
7つの参入障壁
参入障壁としてまず挙げられるのは規模の経済性です。同じ製品を作る場合、多く作れば作るほど1個あたりの生産コストは下がりますが、新規参入企業はいきなり高いシェアを獲得できないので、同じやり方だと製造コストの面で既存参入メーカーよりも不利になりやすくなってしまいます。
二つ目は製品の差別化、つまり、すでに市場にある製品を上回る価値のあるものを提供できるかどうかということです。
三つ目は、大きな投資費用が必要となることです。新たな市場に参入する場合、製品の研究開発や製造設備などをゼロから整えなければならず、それらの投資費用が必要となります。四つ目は仕入先を変更するコストです。新しい仕入先への切り替えコストが高いと、既存参入企業が有利となり、新規参入にあたっての障壁となってしまいます。
五つ目は流通チャネルの確保です。すでに既存参入企業が強い市場の場合、新規参入を行うにしても既存参入企業にチャネルを抑えられてしまっているため、自社で流通チャネルを確保する場合は、営業活動や販売促進、広告などに大きな投資が必要となり、障壁となります。
六つ目は、既存企業が参入したい市場の製品を作るうえで必要な特許を抑えているケースが挙げられます。新規参入企業がその製品を作るためには、特許料を支払わなければならず、コスト面では不利になってしまいます。
七つ目は政府の政策に関するものであり、例えば法律や制度面によって参入が制限されるといったことが挙げられます。
このように様々な参入障壁があり、こうした障壁をクリアしてビジネスとして成功できるのかどうか検討してみることは必要となるでしょう。
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参入障壁をクリアにするヒントを得よう
参入障壁をクリアにすることができれば、市場に新しい風を吹かすことにより、新規参入を行えば大きな成功を収めることができるかもしれません。
しかし、そうした方法がすぐに考えつくものではありません。その際に役立つのが市場調査です。多面的かつ多角的な視点による市場調査を行い、障壁を取り除くヒントとなるような情報を収集できれば、市場に参入できる可能性が開けてくるかもしれません。
参入準備にあまり時間をかけていては、競合他社に後れをとることになります。新規参入において悩まれている企業は、一度市場調査会社に相談してみることをお薦めします。市場調査を行うことで、何か突破口が開けるかもしれません。