【レアメタル・レアアース】コバルトの概要と市場動向を把握しよう
レアメタルのコバルトとは
日本においては以下の条件に該当するものをレアメタルと呼称しています。
▪ 地球上の存在量が希少な鉱物
▪ 経済的理由や技術的理由によって採掘が困難な鉱物
▪ 工業的需要があり安定的な高級を確保することが政策的に重要となる鉱物
なお、レアメタルに定義されている鉱物は次のとおりです。
1. リチウム
2. ベリリウム
3. ホウ素
4. 希土類
5. チタン
6. バナジウム
7. クロム
8. マンガン
9. コバルト
10. ニッケル
11. ガリウム
12. ゲルマニウム
13. セレン
14. ルビジウム
15. ストロンチウム
16. ジルコニウム
17. ニオブ
18. モリブデン
19. バラジウム
20. インジウム
21. アンチモン
22. テルル
23. セシウム
24. バリウム
25. ハフニウム
26. タンタル
27. タングステン
28. レニウム
29. 白金
30. タリウム
31. ビスマス
今回紹介するコバルトもレアメタルの一種であり、次のような特徴があります。
▪ 延性・展性に優れている
▪ 強い磁性を有している
▪ 酸化に強い
▪ エネルギー密度が高く、バッテリー用途に適している
コバルト市場の動向
コバルトは様々な用途で利用されており、主な用途としては以下のものが挙げられます。
▪ リチウムイオン電池
▪ 顔料
▪ 合金材料
▪ メッキ
▪ 添加元素
▪ 人工関節
▪ 歯科材料
▪ ステント
このうち、リチウムイオン電池においては正極材として利用され、スマートフォンやパソコン、デジタルカメラのなどさまざまな分野に活用されています。
顔料においてはコバルトの特性である耐光性や耐候性、耐酸性、耐アルカリ性を活かし、四千年以上前から利用されています。
また、コバルトはタングステン等の他の金属と併せて合金材料して使用されており、他の金属を加えた硬質合金はダイヤモンドのような硬さを有します。
他にも、コバルトの特性である耐摩耗性・耐食性を活かし、人工関節や歯科材料、ステントなどの生体材料としても使用されています。
このようにコバルトは様々な用途で利用されており、徐々に需要を拡大しています。独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の発表によれば世界のコバルト鉱石生産量は2019年が約14.4万トン、2020年が約14万トンとなっています。但し、2011年と比較すると生産量は約3万トンの増加となっており、増加と減少を繰り返しながら、徐々に需要を伸ばしています。
今後の展望について
コバルトの需要動向は主用途であるリチウムイオン電池の動向次第です。現状ではリチウムイオン電池の需要拡大に伴い、コバルトの需要も伸びると期待されていますが、コストが高いため、コバルト以外の材料へ代替を目指す動きも見られます。このため、代替技術が確立されリチウムイオン電池でのニーズが低下すれば、コバルトの全体的な需要も低下する恐れがあります。このため、コバルト関連の市場に参入する場合は代替技術の動向を常に把握しておく必要があるでしょう。但し、自社のリソースの都合で絶えず動向を注視するのは難しいかもしれません。その際に役立つのが専門の調査会社です。専門の調査員が市場調査を実施し、今後の事業戦略の策定に役立つ有益な情報が期待できます。もし、
今後のビジネス展開を検討している際には、プロの市場調査会社の利用を前向きに検討しましょう。