プリント配線板用銅張積層板の概要と市場動向を把握しよう

プリント配線板用銅張積層板とは

私たちが日常的に使っているスマートフォンやパソコン、冷蔵庫やエアコンなどの家電はもちろん、車や飛行機などの乗り物や工業機械などあらゆるものに利用され、重要な部材となっているのがプリント基板です。

緑色の板状の部材に、多数の細かい電子部品が取り付けられたものを、目にしたことがあるのではないでしょうか。こうした電子部品を取り付けるためのベース板がプリント基板(プリント配線板)です。

プリント配線板は、材質や特質によって大きく4種類に分類され、硬質性を有する「リジッド基板」、柔軟性を有する「フレキシブル基板」、その両者の性質を併せ持つ「リジッドフレキ基板」、高い放熱性を持つ「メタルベース基板」があります。これらはコンデンサや抵抗器、ICなどの電子部品が適切に通電できるよう絶縁体が必要です。

また、基板の片面あるいは両面に電子部品を配置しても処理能力が不足する場合、3層以上の構造とすることがあり、これを「多層基板」といいます。

そして、こうした基板のベース部材となるのが「銅張積層板」です。

銅張積層板は高い絶縁性を持つガラス繊維製のガラス布にレジンを沁みこませて過熱し、シート状に成型したものに銅箔を重ね合わせ、加熱・プレスしたものです。

ガラス布とレジンによってプリント基板の強度や伸縮性、導電性などが変わってくるため、非常に重要な部材です。また、4層以上の多層基板として使用する場合は「プリプレグ」と呼ばれる樹脂シート性の絶縁材が必要となります。銅張積層板の上下に重ねた上でさらに銅箔で挟み、加熱・加圧処理を行います。銅箔は99.8%以上の純度を持ち、樹脂シートとの接着性を高めるため表面には細かい凹凸があるのが特徴です。また、基板の使用される用途によってどのような厚みにするか選択していきます。

最後に、配線板は「ソルダーレジストインク」と呼ばれる光や熱で硬化する絶縁性インクによってコーティングを施します。ソルダーとはハンダ付けのことで、電子部品などを取りつけた際に実装箇所以外にハンダが影響することを防ぎ、回路を熱・ホコリ・湿気などから保護する機能を持っています。

プリント配線板用銅張積層板市場の最近の動向

プリント配線板用銅張積層板の市場は、世界的に拡大の一途をたどっています。

あらゆる電子機器製造において必要不可欠な部材であり、東アジアを中心に企業の新工場建設や当該部門へのリソース傾注の動きが活発化しています。すでに一般化しているスマートフォンなどの高機能モバイルに加え、先端分野として注目され民間企業の参入も著しい航空宇宙関連、5Gの普及とともに拡大している通信機器やサーバー周りにおいて今後も需要拡大が期待されています。

今後の展望について

プリント基板においてはアプリケーションの高性能化に伴い、多層化や低誘電導性が求められており、銅張積層板においてもそうしたニーズに対応した部材の開発が必要となるでしょう。一方、銅の価格高騰や為替の問題などもあり、供給先に対しいかに価格転嫁をしていくかは課題となっていくでしょう。

プリント配線板用銅張積層板の市場の動きは早く、刻々と変化しています。このため、最新の情報をキャッチし、今後の展開を考慮し戦略を立てていく必要があります。もし、今後の業績拡大を企図しつつ、そのための舵取りに悩まれている企業においては、専門の調査会社を活用し、市場調査やマーケティングリサーチを行うことをお勧めします。有益な情報を収集してマーケットをよく理解すれば、今後のビジネス方向性を合理的に決定していけるはずです。 自社で市場調査を行うには収集できる情報に限界があるため、専門の市場調査会社に業務を依頼することをおすすめします。

マーケティングリサーチコンシェルジュでは最適なリサーチ方法の提案を行い、様々な相談に対してコンサルタントが丁寧に回答します。一度、相談してみましょう。

 

 

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