流通チャネルを検討してみよう
マーケティングの基本要素として
マーケティングにおいて基本であり重要な要素になるのが、流通チャネルに関わる戦略です。どのような製品やサービスでも、利用してもらうユーザーにきちんと届けることができなければ意味がありません。どのように製品やサービスを顧客に届けていくかは企業にとって重要な戦略の1つとなっています。どのようにすれば正確かつ確実に顧客に提供することができ、かつ利益を拡大できるチャネルを構築できるのか絶えず検証していく必要があります。
流通チャネルを検討するにあたっては、まず商材の性質や販売戦略を元に検討しなければなりません。例えば生鮮食品の場合、鮮度の問題があるため、できれば直接顧客に届けることができるのが理想です。一方、工業製品は、流通過程で品質が大きく低下することは少ないため、小売店など多くの販売ルートを使い、多くの顧客の手元に届けるようにするのが理想です。
このように、商材の性質や販売戦略をまず前提として、より効率的な流通チャネルを構築していく必要があります。
なお、流通チャネルには、生産者から消費者の手に商品が届くまでの間に3つの流通業者が介在する3段階チャネルというものがあり、仲介する業者の数によって2段階、1段階と分けていくことができます。
ダイレクトマーケティングの広がり
流通チャネルには、メーカーや生産者が流通業者を通さずに消費者へ直接商品を届けるゼロ段階チャネルと呼ばれる方法があります。チャネルが長くなると、提供するまでにかかる時間、中間業者にかかるマージンも増え、商材の特性も伝わりにくくなります。一方、ゼロ段階チャネルでは流通業者を経由しないため、これらのデメリットを解消できます。
ゼロ段階チャネルが使われる例としては、住宅が知られています。住宅は高額なものであり、持っている特性を細かく説明する必要がありますが、仲介する業者などが増えるにつれ特性が伝わりにくくなります。また、流通チャネルが長くなる分流通コストが増えることも考慮しなければなりません。流通チャネルが長くなるほど物件の魅力が伝わりにくく、かつ中間業者が増えるともともと高額な商材がさらに高額になってしまうため、ゼロ段階チャネルが選択されることが多いです。
最近では店舗を持たず、顧客に直接商材を販売するダイレクトマーケティングが盛んになっています。今では当たり前となったECサイトも、ダイレクトマーケティングの一つに該当します。ダイレクトマーケティングがここまで普及したのは、インターネットの発展が大きく寄与しています。流通チャネルとしてダイレクトマーケティングを選択する際には、顧客が購入を検討しやすくするため、商材に関する細かな情報を提示しておくことが必要です。あらかじめ顧客が一体どんな情報を必要としているか調査し、顧客の求める情報を提供できるとより販売拡大につながるでしょう。
調査の検討
流通チャネルの種類には、開放的流通チャネルや専属的流通チャネルといった選択もあります。開放的流通チャネルとは、簡単に言えば、いつでも欲しいときにどこでも手に入るように、多くのチャネルを通じて販売する手法です。こういった手法は日用品などに用いられています。一方、限られたチャネルでしか購入できないのが専属的流通チャネルです。チャネルを限定し手に入れにくくすることにより、ブランドイメージを高めることが可能となるため、高級ブランドなどでよく使われている手法です。こうした手法も自社の製品。サービスの特性をみた上で、どのような手法をとるべきか検討してみましょう。
刻々と状況が変化する中において、流通チャネルの見直しは欠かすことができないものでしょう。しかし、どのように見直しを行うべきか、またどのようなチャネルを構築すべきか判断がつかないこともあるのではないでしょうか。そういった際には競合企業の取り組み状況を参考にするのもよいでしょう。調査会社に依頼し、情報を収集しよいものを取りいれてみるのが、おすすめです。