電子カルテシステムの市場、今後の有望性

多くの企業が注目する電子カルテシステム業界

カルテとは、医師が患者の病状や処置などを記載した診療記録カードです。紙製のカルテの場合、数が膨大になると保存スペースの不足や、特定のカルテを探し出すのに時間がかかる問題がありました。こうした課題を解決し、業務効率化に役立つのが電子カルテです。

現在、電子カルテシステムはその有望性から大手電機メーカーやIT系のベンチャー企業、医療機器メーカーなど多くのメーカーが参入しています。 電子カルテを利用する医療機関の規模は大小さまざまであり、電子カルテシステムの機能をどこまで必要とするかは各医療施設によって異なります。高度な機能を必要とする場合、導入には巨額のコストがかかるため、利用する医療機関は限られます。

一方、最低限必要な機能であれば低コストで導入でき、小規模な診療所でも利用できるものが存在しています。また、操作性に力点を置いているメーカーがあれば、診療分野別に機能を細分化した製品を提供しているメーカーもあります。

さらに顧客に応じて製品をカスタマイズできる点を強みとしているメーカーもあります。このようにそれぞれの企業がターゲットに合わせ、独自の強みを発揮しながら製品を提供することで、電子カルテシステムの業界において覇を競っている状況です。

新規参入したい企業はまず市場調査を行い、各社の動向を把握した上で、検討するのが良いでしょう。

医療サービスのIT化が電子カルテシステムの導入を後押し

厚生労働省が公表している、電子カルテシステムの普及率を一般病院の規模別に見ると、規模の大きな病院はすでにその多くが導入済みとなっています。一方、数の多い小規模の病院の普及は半数以下であり、まだまだ導入数を伸ばす余地が残っています。

また、医療サービスのIT化も普及を後押ししています。当初はカルテの電子版という位置付けだったのですが、現在はITの進化によって医療情報を総合的に管理運用するために欠かせない製品となったためです。 まず、厚生労働省が推進する地域医療連携への応用が挙げられます。

地域医療連携とは、ローカルの医療機関が相互に円滑な連携を図り、患者が地域で適切かつ継続性のある医療サービスを受けられるようにする取り組みであり、それを実現するためには電子カルテシステムにより、患者の医療情報を各医療機関で共有できるようにすることが欠かせません。

さらに、国では薬の処方情報の電子化も進めようとしています。ほかにも医師と患者が別々の場所におり、その状態で問診や治療を行う遠隔医療の取り組みにも電子カルテシステムは欠かせません。

このように今後、電子カルテシステムの必要性はますます増していくといえるでしょう。

新規参入は市場調査会社の活用が成功のカギ

魅力的な電子カルテシステム市場に参入したいと考えている企業は、多いかもしれません。 厚生労働省はシステムの推奨仕様を規定しており、もし、新規参入する場合は、こうした仕様に対応できるシステム開発が必須になります。

また、今後加速する地域医療連携への対応も必要です。厚生労働省からデータ蓄積仕様が提示されており、この仕様を踏襲した地域医療連携システムを提供できる製品の開発が新規参入の重要なポイントになります。 さらに、国際化への対応も重要です。日本の電子カルテ情報と、アメリカやEU各国などの医療機関の電子カルテ情報に互換性を持たせるためのデータの標準化、共通化が進んでいます。

今後のシステム開発にあたっては、海外のシステムとの互換性も不可欠となるでしょう。 また、市場動向を把握することも新規参入には必要不可欠です。医療業界は非常に高度で専門性の高い世界であり、自社で情報収集をするには限界があるかもしれません。

その際は市場調査会社を活用すると有益な情報を得られやすいでしょう。先行企業の特徴やシェア情報、シェア上位のメーカーの製品が導入される要因に関する情報も収集可能です。

こうした情報をもとに、参入の有無の判断や今後の製品開発の方針策定などに大いに役立ちます。外部の専門業者を利用しつつ、電子カルテシステムの市場動向の把握に努めましょう。

 

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