内視鏡の概要と市場動向を把握しよう

内視鏡とは

内視鏡とは、内視鏡検査で用いられる先端にカメラがついた細長いチューブの形状をした医療機器です。内視鏡検査では、口や肛門から内視鏡を挿入、食道や胃、腸といった部位を目視で観察できます。

なお、内視鏡検査ではがんの他、流動性食道炎や胃ポリープ、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎など様々な病気の早期発見が可能です。

 

また、内視鏡を利用することによって、映像を見ながら治療・処置を行うことも可能です。患者の患部の状態によっては、内視鏡検査時にそのまま腫瘍を切除することもできます。

近年は、カプセル型や超音波で消化機器の内部組織を観察できるタイプの内視鏡も登場しています。また、画素数が大幅に増加したモニターと高画質CCDを組み合わせることによって、画質も飛躍的に向上しました。

 

この結果、観察が難しかった微細な変化まで確認可能となっています。さらに近年では小さな病変を感知できるよう、光デジタルによる画像強調技術の導入が進んでいます。光デジタルによる画像強調技術では光の波長をコントロールし、粘膜表面の毛細血管やわずかな浮き沈み、深部の血管などを捉えることが可能です。今後もさらに技術革新が進めば、内視鏡の医療現場における活躍シーンは増えるでしょう。

内視鏡市場の動向

内視鏡の市場は、ヨーロッパや中国などを中心とした海外市場における需要が拡大しています。ヨーロッパや中国においては医療機関が設備投資に力を入れる動きがみられ、内視鏡の需要も高まっています。

また、今後はがんなどの患者が増加し、検査のニーズが高まると予想されるインドにおいて内視鏡の市場は拡大すると予想されています。これは急激な経済発展を遂げたインドでは、喫煙、飲酒などによる生活習慣の悪化が進み、がんなどの羅漢率も増加すると見られているためです。

 

一方、インドにおいては内視鏡を操作できる医師の数が不足しており、普及に向けた課題となっています。こうした状況を解決するため、日本では総務省がインドにおいてインドの大手医療機関と連携し、超拡大内視鏡によるAI診断支援システムの導入プロジェクトを進めています。

さらに大学病院の医師を講師として派遣し、内視鏡を駆使して病変の発見から患部の摘出まで実施できる医師の育成も進めています。こうした取り組みにより、内視鏡による検査が普及すれば、市場は大きく拡大すると期待されています。

今後の展望や懸念点について

がん患者数の増加に伴い、内視鏡検査の需要も高まると予想されます。このため、内視鏡の需要についても堅調に推移すると見込まれています。

また、今後の普及が期待されているのが超音波内視鏡検査です。超音波型内視鏡検査は局所の観察に適しており、普及が期待されていますが、現状ではこのタイプの内視鏡を使いこなせる医師は多くありません。このため、超音波型内視鏡を使いこなせる医師の増加が課題になっています。

このように懸念点としては、内視鏡診断を行う医師の不足です。また、内視鏡の専門技術「内視鏡的粘膜下層剥離術」の専門医は日本人がほとんどであり、こうした技術の普及も内視鏡の需要を拡大するための課題といえるでしょう。

内視鏡の技術は日々進化しており、常に市場動向の把握が必要となるでしょう。しかし、より多くの観点から市場分析しようとなると、自社で得られる情報だけでは限界があるでしょう。そうした際に役立つのが専門の市場調査会社です。

市場調査会社はノウハウを有し、自社では得られない有益な情報の収集に努めます。内視鏡の市場動向の把握を検討している方は、市場調査会社の活用も視野に入れておきましょう。

 

 

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