油圧ショベルの概要と市場動向を把握しよう
油圧ショベルとは
油圧ショベルは、油圧システムの力によって、アタッチメントを付属したアームを動かす建設機械であり、エンジンや操縦席が位置する上部旋回体を360度回転させ、効率的に土砂等の掘削、旋回、放土などの作業を実施できます。
なお、運転質量が6トンを超えるものは油圧ショベル、6トンを下回るものはミニ油圧ショベルに区分されます。
油圧ショベルは幅が狭い道路や住宅密集地などスペースに限りがある場所でも、全方位旋回機能により、比較的容易に作業できます。さらに、沼や川底など人が作業しにくい箇所においても、安定した足場に陣取ることができれば、長いアームを活かして作業が可能です。油圧シャベルは小回りが利くだけでなく、正確な作業を実現しやすい利点も挙げられます。2本のレバーを巧みに操り、アーム部位を自在に操作できます。壁際や配管工事など丁寧な作業が必要な場面にも対応可能です。
このように、油圧シャベルは非常に使い勝手が良い機械ですが、業務で使用・運転する場合、労働安全衛生法上、運転技能講習の受講が必要となるのでご注意ください。
参考:https://www.nipponcat.co.jp/blog/general/excavators.html
油圧ショベル市場の動向
油圧ショベルなど建設機械は2011年に発生した東日本大震災に伴う復興需要による拡大、新興国や北米を中心に輸出が増加したことにより、市場は拡大傾向となっていました。
2015年には鉱山資源の価格低下、新興国の建設ニーズ低下などの影響を受け、市場に落ち込みが見られたものの、その後再び拡大傾向となっています。
直近では、新型コロナウイルスの影響の伴う景気悪化等により、建設需要が低迷したため、建設機械の市場は再び停滞に入りました。
建設機械の生産において、日本は金額ベースで米国に次いで2位につけており、建設機械の主要生産国となっています。2010年代の国内建設機械市場に目を向けると、小型・ミニ機械が大きく出荷金額を伸ばしています。特筆すべきはミニショベルの成長率です。2010年から2019年の10年間、ミニショベルは油圧ショベルの2倍を超える成長率を叩き出しており、今後の需要が期待されています。
今後の展望について
今後の市場動向においては、新興国などの建設需要に大きく左右されます。そうした点において足元の新興国のGDP成長率は低下傾向にあり、建設需要の低迷も予想されています。
こうした状況の中、ミニショベルは現在も安定した需要を誇っていますが、長期的に売上を確保するためには、製品の価値を高める工夫が求められています。近年はデジタル技術の活用により、稼働状況をほぼリアルタイムで状況を把握できるようになっています。
これにより機械の故障の予防、盗難防止、事故の予防等に役立てることが期待されます。
このようにショベルに関する技術も着実に進化を遂げており、その動向を注視する必要があるでしょう。その際、市場調査による情報収録が欠かせません。可能であれば、より有益な情報を収集できる可能性がある市場調査会社の活用をお勧めします。油圧ショベルの市場をより詳細に把握したい場合は積極的に利用しましょう。