ヘッドアップディスプレイの概要と市場動向を把握しよう
ヘッドアップディスプレイとは
ヘッドアップディスプレイは運転中、ドライバーの目に入りやすいフロントガラス等に必要な情報を映し出すための装置です。ドライバーは視線を落とすことなく速度やナビ情報等の情報を確認できるようになるため、運転時の安全性向上が期待できます。
また、ヘッドアップディスプレイには以下の3つのタイプがあります。
・投影タイプ
・照射タイプ
・スマートフォンとの連携タイプ
投影タイプはダッシュボード上のディスプレイに情報を投影するタイプです。なお、このタイプは自動車に最初から内蔵されているケースもあれば、後からディスプレイを取り付けるものもあります。
また、照射タイプはフロントガラスに直接、情報を表示するタイプです。
そして、最近はスマートフォンの情報をディスプレイに表示する連携タイプが登場しています。なお、装置にスマートフォンをセットして連携するタイプとWi-Fi で接続するタイプがあります。
ヘッドアップディスプレイ市場の最近の動向
新型コロナウイルスの感染拡大の影響に伴い、自動車の販売台数自体が停滞したため、ヘッドアップディスプレイの市場も同様に停滞している状況です。 なお、ヘッドアップディスプレイは自動車分野の他、飛行機分野でも多く採用されていますが、こちらも新型コロナウイルスの影響を受け、需要が大きく減退しています。 但し、こうした影響は徐々に軽減されてきており、ヘッドアップディスプレイの需要は回復しつつあります。
今後の展望や懸念点について
ヘッドアップディスプレイ市場においては成長可能性の要素がいくつかあり、今後の市場拡大が期待されます。いくつかの成長要素を詳しく見ていきましょう。
■成長要素①ドライバーの安全向上
日本における交通事故の死者は毎年100万人以上となっており、2030年には死因のトップ5に「交通事故死」が入ると予想されるほど大きな問題となっています。
交通事故の主な要因の1つがドライバーの注意力不足です。このため、ヘッドアップディスプレイの普及をさせることによって、視認性を向上し、事故件数の減少を期待する動きは強く、そうした動きが高めればより普及が進むと期待されます。
■成長要素②コネクテッドカーの普及
今後は技術の発展によって、普及を期待されているのがコネクテッドカーです。そしてコネクテッドカーの機能の活用にあたっても、ヘッドアップディスプレイの利用が期待されています。例えば、渋滞時に娯楽動画をディスプレイ上に表示させるなど様々な使い方が検討されるなど、今後の普及を後押しするかもしれません。
■成長要素③AR機能を使った進化
ヘッドアップディスプレイの進化の方向性として、AR (拡張現実)とのコラボレーションが期待されています。現状では標識の矢印やイラストを前方の風景に重ね合わせて表示することが可能です。さらにAR技術が進歩すれば、ヘッドアップディスプレイで今以上に様々なことができるようになり、その結果、メーターなど表示装置の必要が無くなるかもしれません。
■コスト面等での課題も残る
様々な可能性を秘めたヘッドアップディスプレイですが、懸念材料も存在します。それはコストの問題です。ヘッドアップディスプレイは安全性に関わる部分であるため、性能の高いディスプレイを使用する必要があります。加えて大量の電気を消費することから、普及においてはコスト面が課題です。
こうした課題も考慮しつつ、ヘッドアップディスプレイ市場の将来性を予測するのは容易ではありません。このような時に役立つのが市場調査会社です。自社の調査だけでは収集が難しい情報もプロの市場調査会社を活用することにより、多くの情報が収集できるようになります。もし、ヘッドアップディスプレイの市場動向を把握したい場合には、市場調査会社の活用も積極的に検討しましょう。