画像検査装置の概要と市場動向を把握しよう
画像検査装置とは
画像検査装置は、形状や色、寸法、異物の有無などを確認する外観検査の際に使用されます。装置は画像センサーと処理装置、ソフトウェアから構成されており、カメラで対象物の画像を撮影し、システムによって撮影データを処理するのが基本的な仕組みです。
外観検査ではカメラでとらえた対象物の画像と、事前に登録された合格品の画像を比較し、大きく異なるものを異常品として検知します。外観検査は従来まで目視で実施されてきましたが、画像検査装置の活用により、検査工程の自動化が進んでいます。
生産ラインの稼働中でも検査を同時に実施できるため、業務効率の向上にも寄与します。ただし導入にあたり、一定のコストが生じる部分はデメリットといえるでしょう。
画像検査装置市場の動向
直近のグローバルな画像処理システム市場は、米中貿易摩擦の長期化による投資減退・景気後退の影響を受け、多少の落ち込みがみられたものの、その後は拡大傾向となってきています。特に自動化ニーズの高まりや検査範囲の拡大を背景に、自動車関連業界では、目視検査から画像処理技術を用いたチェック体制への移行が進んでいます。
また市場の影響を受けにくい食品や化粧品製造、品質管理や研究開発に用いられる測定関連機器においても、画像処理システムは一定のニーズを獲得しています。さらに近年開発が進められているAI・ディープラーニング関連も米中貿易摩擦の影響を受けにくい分野となっています。
今後の展望について
画像処理システム市場は今後も成長が期待できる領域です。マーケットの大きい中国においてはスマートフォンやデジタル機器の製造分野において安定したニーズがあります。
また、ECビジネスが活況であることから物流関連業界の検査業務の効率化においても画像処理システムのニーズが高まると期待されています。
画像処理システムは、エリアにかかわらず市場の拡大が進むと見られていますが、特に中国や韓国、台湾などアジア諸国における伸びが期待されています。一方、日本やヨーロッパ、アメリカにおいては自動車関連産業を中心に普及が進むと期待されています。
特に需要が伸びると期待されているのが、FA用エリアのスキャンカメラです。半導体や電子部品の製造分野への活用が期待されており、さらに食品や化粧品、ライフサイエンス、物流などにおいても活用が期待されています。
またディープラーニングを活用したソフトウェアは今後、本格的な導入が進めば、爆発的な成長を期待されています。
このように今後、大きな市場拡大が見込める画像処理システムですが、参入プレイヤーは多く、競争が激しい業界です。このため、他社に先駆けて顧客のニーズを把握をすることが重要となるでしょう。その際に役立つのが、専門の市場調査会社です。自社では収集できない有益な情報を把握できる可能性があります。ぜひ積極的に活用してみましょう。