車載センサーの概要と市場動向を把握しよう
車載センサーとは
車載センサーは車両に搭載され、光や音、温度変化等を検知する機器です。現在の自動車においてはドライバーの運転をサポートするため様々なセンサーが搭載されています。
特に今後進展が期待される自動運転においてセンサーは欠かせないものとなっています。以下に実際の用途事例を示します。
■カメラ
自動運転においてカメラが担う代表的な役割は画像認識であり、その画像認識にセンサーが活用されます。動く物体のトラッキング、信号や標識の認識、白線の検出等、運転を行うために必要な様々な情報を取得します。また、カメラを利用し、車間距離の測定、ものの大きさの計測、速度の計算なども可能です。
このようにカメラは人の「眼」の役割を担うため、自動運転においては必須不可欠なものとなっています。なお、カメラの画像センサーは光によって物体の情報を記録するため、記録時に直射日光や対向車のヘッドライト等が写り込むと明瞭な画像が撮影できなくなるという課題があります。
■3D-LiDAR
3次元状に光を照射し、戻ってきた光との時間差から距離を算出する機器を3D-LiDARと呼びます。なお、LiDARはLight detection and rangingの頭文字であり、「光による検知と測距」という意味です。
自動運転において3D-LiDARは周辺の物体を検出、自車位置の特定といった目的に利用されます。カメラと異なり、3D-LiDARは自分から光を発して動くため、外的な要因に強いのが特徴です。
■ミリ波レーダー
ミリ波レーダーはミリ波帯(周波数帯30GHz~300GHz)の電波を使うレーダーです。ミリ波レーダーはミリ波を照射し、対象物との距離、速度、角度等を測定する仕組みです。
3D-LiDARとの違いは光を用いないため雨や雪などの悪天候に強い点や、トンネルなど明るさが急激に変化する環境でもその影響を受けずに計測を行うことができる点です。
このため、ADAS(高度運転支援システム)においては、前車追従の際などに利用されます。
■加速度センサー
車が加速中なのか減速中なのか、曲がる角度はどれくらいなのか等、走行状態を計測するめの機器が加速度センサーです。
自動運転においては移動経路の測定に使われ、その他のセンサーが正しく作動しない状況際に、位置情報の測定を補完する役割を有しています。
将来の展望や懸念点
コロナウイルスの感染拡大の影響に伴い、需要が落ち込んでいた車載センサー市場ですが、足元では回復の兆しを見せており、一転して大幅な成長が予測されています。
■成長要因 自動化レベル2クラス以上の自動車の登場
現在、自動車の自動運転レベルをみると、高級車を中心に自動化レベル2クラス(高速道路での自動運転モードが搭載)に対応したものが登場しています。また、今後数年でより高いレベルの自動車の登場が予想されており、そうした車にはセンシングカメラや各種レーダーといった車載センサーの搭載が増加すると予想されています。特にカメラに使用される画像センサーは、今後最も大きな伸びを見せると予想されています。
また、今後先進国等で衝突安全機能の搭載が義務化される見込みがあり、その点も市場の拡大を後押しするとみられています。このように車載センサー市場の大きな成長が期待されていますが、これらに関連する技術は日々進化しており、業界の動向を常に把握していなければいつのまにか取り残されている可能性もあります。
しかし、自社内のみで常に動向把握するのは、リソース等の問題から限界があります。そうした際に役立つのが、市場調査会社です。専門の調査員が情報収集を行うことにより、より価値のある情報を入手できるかもしれません。動向把握に困った場合には、市場調査会社の活用も積極的に検討しましょう。