産業用バルブの概要と市場動向を把握しよう

産業用バルブとは

バルブとは通過する流体の量の調節を目的とした機器です。これらは種類や用途、形式等で区分されています。また、「汎用弁」や「玉形弁」など「弁」が付くケース、流体の放出を止める機能を持つバルブの場合、「給水栓 」や「ガス栓」と呼ぶケースもあります。 H3基本的なバルブの種類 代表的なバルブの種類をいくつか紹介します。

■グローブ型

流体の入口と出口が一直線上に位置し、玉形の弁箱を持つ形状のバルブをグローブ型と呼びます。流量の調整機能に優れている反面、流体の流れる向きが変わると通路が急速に拡大・縮小するため、圧力による損失が大きくなる点が特徴です。

■ボール弁

球形の弁体が、弁箱の中で弁棒を軸に回転し流路を開閉する仕組みのバルブです。一直線に流体が通過するため、流体通過時の抵抗が少なく、圧力損失も小さい特徴があります。

■ゲート弁

ゲート上の弁体を仕切りのように動かし、流路を開閉する仕組みをもつバルブです。ゲート弁には複数の種類があります。中途半端にゲートを開閉すると弁体に振動が生じる危険があるため、全開もしくは全閉で使用する点が特徴です。

■逆止弁

流体の背圧を利用し、逆流を防ぐ仕組みを持つのが逆止弁です。また、弁体の形状に応じて、リフト逆止弁、スイング逆止弁、デュアルプレート逆止弁といった種類があります。

産業用バルブ市場の最近の動向

この数年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、バルブの生産量は減少傾向となっていましたが、2021年度のバルブ生産量は回復傾向となっています。国内における生産量、輸出量も増加傾向となっており、バルブの需要回復が顕著となっています。 また、韓国において日本製品に対する反ダンピング課税が2020年に撤回されたことも追い風になっており、今後の市場拡大が期待されています。

今後の展望や懸念点について

産業用バルブ市場において今後のトレンドとなるのは、自動化制御の普及です。自動バルブが普及しリモート操作での制御が可能となれば、人間が作業を行うには危険な場所において需要が高まると期待されています。 また、海外においては北米を中心に石油やガスの貯蔵・精製におけるインフラへの投資が予想されており、それに伴い産業用バルブの需要も拡大することが期待されています。さらに発展途上国向けにおいては食品・飲料加工産業の拡大に伴い、それらの工場等におけるバルブの需要増も見込まれています。しかし、実際にどの程度需要が見込めるのかは様々な情報収集・分析が必要です。そうした際に役立つのが専門の市場調査会社です。自分たちの手だけでは収集できる情報に限界がありますが、市場調査会社に依頼すると質の高い情報を収集することが可能となります。もし、産業用バルブにおいて新規参入や今後の戦略を検討している企業であれば、こうした企業の活用も視野に入れておきましょう。

 

 

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