IoTに関する市場動向を把握しよう
IoTの活用状況
IoTとは「Internet of Things」の略で、あらゆるものがインターネットでつながることを意味し、モノのインターネットとも呼ばれます。すでにいくつかの分野で活用事例が登場しています。例えば、外出先からスマートフォンで自宅のエアコンを操作したり、留守中の訪問者にインターフォンを通して対応したりすることが挙げられます。
産業分野では、機械の状況を常時センサーで監視し、異常の兆候が見られた際にはすぐにメンテナンスを実施したり、工事現場の様子をモニタリングすることで、作業者が危険エリアに入った際にアラームで知らせることで、事故を未然に防いだりするといった活用がされています。
しかし、総務省の実施した調査では、IoTの活用率は低い状況です。その理由としては、どのような場面で活用できるか不明であること、資金が足りないことなどが挙げられています。 一方で、IoT化への取り組みは着実に進んでいます。
IoT関連市場は産業機器や家電などのハードウェア、情報の収集・やり取りを行うための通信機器やデバイス、モバイル通信などのコネクティビティ、情報の表示・操作を行うためのソフトウェア、そしてIoTを活用した各種サービスやセキュリティサービスなどで構成されており、これらの市場規模はこの5年で2倍程度に拡大すると予想されています。
このため、今後ますます実用化が進み、成長が期待できる市場といえるでしょう。
IoT関連業界の今後の動き
市場調査の予測によれば、今後、IoTの急速な普及が期待される分野として、スマートファクトリーが挙げられています。これは人口減少に伴って労働力不足が進むため、IoTによって産業用ロボットの省力化や効率化を実現することが期待されているからです。
また、高齢化に伴い、在宅での介護や看護といった分野での活用がさらに進むと見込まれています。 さらにIoTの活用により、製品の生産状況や出荷された荷物がどこにあるかなどをリアルタイムに把握する流通・物流システムの整備がさらに活発になると見込まれます。
また、公共分野では、路側無線装置を活用して公共交通インフラの管理やセキュリティ関連の需要増加が期待されています。そのほか、農場にセンサーを設置して、CO2や日照量、土壌酸度をモニターし、野菜の育成環境を適正に保つサービスも始まっています。
さらに家庭用においては、IoTに関連して電気やガスなどの利用をリアルタイムで把握できるスマートメーターの設置や家電・ホームセキュリティ関連などのシステムが伸びていくと予測されています。
このようにIoTの利用は今後幅広い分野・業界を巻き込んで拡大していくと見込まれており、さらなる市場の拡大が期待されています。
こんなものにもIoTを活用
現在、消費期限が切れた食品、飲食店や家庭での食べ残しなど、まだ食べられるにも関わらず捨てられてしまう食品ロスが問題となっています。
こうした問題の解決にIoTを活用する取り組みが始まっています。例えばビュッフェスタイルのレストランで、重量計の上に料理を置きます。そして重量の情報から来場者数や料理の残量などをリアルタイムでモニターすることで、無駄な補充を防ぎ、食品ロスを最小限に抑えることが可能になります。
また、年齢や性別を問わず、体重の増加を気にしている人は多いと思います。こうした悩みの解決に一役買うのがスマートベルトです。普段使用しているベルトに腹囲測定や座っている時間を測定する機能を持たせ、専用アプリでモニターし、運動の必要性などを知らせてくれます。
このように、IoTの活用範囲はますます広がり、テクノロジーの進展も早いです。したがって、ネット上の情報もすぐに古くなるため最新の情報を常に把握しておくことが重要です。
もし、IoT関連のサービスへの参入を検討しているのであれば、専門的に知識を有する市場調査会社を活用し、最新の情報の入手に努めましょう。