レーザー加工機の概要・その用途とは?
レーザー加工機とは?
レーザー加工機とは、レーザー光を用いて切断や彫刻・穴あけ・マーキング加工等を行う機械です。刃物や切削器具等による切断加工と異なり、光の照射による非接触加工であるため、切断面がきれいに仕上がります。
なお、レーザー加工機で使用されるレーザーには主に「CO2レーザー」や「YAGレーザー」、「ファイバーレーザー」があり、それぞれ特徴が異なります。 この内、「CO2レーザー」は気体式レーザー加工機の一種で、炭酸ガスをエネルギー源としています。
一方、「YAGレーザー」はイットリウムやアルミニウム等の物質を使った個体のレーザーであり、柔軟なライン構築が可能であるため、彫刻の用途に適しています。 ファイバーレーザーは媒質に光ファイバーを用いたタイプであり、エネルギー変換効率の良さが特徴です。
また、ファイバーレーザーには連続発振タイプとバルス発振タイプがあり、前者は高出力が可能で切断や溶接目的の際に用いられています。一方、後者は微細加工やマーキング目的で利用されることが多くなっています。
このようにレーザー加工機には様々なタイプがあり、目的に応じて使い分けられています。
レーザー加工機のメリット・デメリット
メリット①細やかな加工が可能
レーザー加工機は画像処理ソフトウェア等を用いて作成したデータがあれば、そのデータを参照し、複雑で細微な加工がしやすいという点が特徴です。レーザー光を細かく調節して加工を行ったり、複数の条件のものを一度に加工できるため、小ロットや多品種生産に適しています。
メリット②操作が簡単
レーザー加工機は、機械に慣れていない人でも簡単に操作可能です。セットアップやジョブの切り替えといった作業も容易に行えるため、作業員の育成の手間は省けるでしょう。
H3メリット③メンテナンスが楽
刃物を使って旋削や切削を行う場合、消耗に伴い、摩耗作業や交換が必要となります。しかし、レーザー加工機であれば、レンズやノズル・加工ミラー等の清掃だけで十分です。
H3デメリット①グラフィックソフトを使う必要がある
レーザー加工機においては加工を行うための条件(データ)の作成が必要となり、イラストレーターやCorelDRAWなどのグラフィックソフトを使いこなせる人材が必要となります。
H3デメリット②加工できない素材がある
レーザーが届く深さに限界があるため、厚みのある材料の加工はできません。具体的には、3cmほどが限界だと言われています。
また、反射率や熱伝導率が高い素材は溶けやすいため、うまく加工できない可能性もあります。ただし、ファイバーレーザーであれば細くピンポイントで照射できるため、銅やアルミなど熱に反応しやすい素材の加工も可能です。
H3デメリット③コストが高い
レーザー加工機自体が高価であることに加え、気体タイプでは加工ガス代などのランニングコストが発生します。また、焦点レンズやミラー等、定期的に交換する必要があるため、それらの備品代も発生します。
様々な分野に活用されるレーザー加工機
昨今、レーザーの高出力化や加工速度の向上に伴い、レーザー加工機は様々な業界のものづくりに欠かせないものとなりました。 自動車産業では、高出力レーザーを用いたフレーム・ドア・ボディ等の溶接やプレス加工後の不要部分の高速切断のほか、低出力レーザーによる小物部品の溶接など様々な用途に使われています。
また、近年、建築構造部品のボルトにおけるレーザー加工での穴あけが認可されたため、これらの分野におけるレーザー加工需要は増加傾向にあります。さらに、航空機業界ではアルミ合金などの航空機部品等の部材にレーザー溶接が用いられるようになり、生産性向上に寄与しています。
このように、レーザー加工機は様々な分野に活用されており、今後も発展を遂げると考えられます。もし、新規参入を検討している場合には、どのような市場をターゲットとするのか、それに適した製品は何か検討するのが良いでしょう。
検討にあたっては市場調査を実施し、ニーズを把握することをおすすめします。市場調査会社を利用すれば、有益な情報を得ることができるため、積極的に活用してみましょう。