【レアメタル・レアアース】リチウムの概要と市場動向を把握しよう
レアメタルのリチウムとは
現代の産業発展に欠かせないものの、一つに金属資源の利用があります。特にレアメタルと呼ばれる金属あるいはそのうちレアアースなどと呼ばれる希土類は、需要に対して資源量の限られており、資源の確保とその有効活用が求められています。
レアメタルの明確な定義付けはありませんが、経済産業省では「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、安定供給の確保が政策的に重要」なものとしています。
レアメタルの具体例としてはリチウム・ベリリウム・チタン・バナジウム・クロム・マンガン・コバルト・ニッケル・ゲルマニウム・モリブデン・セシウム・バリウム・タングステンなどであり、中には頻繁に見聞きするものもあるでしょう。
なお、「レア」の意味は埋蔵量に限らず、採掘のコストや精錬の難易度などにもかかっています。例えばチタンの場合、埋蔵量は多いものの高純度で精錬することが難しく高コストという点からレアメタルに分類されています。
ここではレアメタルにおいても比較的馴染み深いリチウムを取り上げます。リチウムは「リチウムイオン電池」といった用例がよく知られているように、自動車やモバイル端末などのバッテリーに多く使用されています。リチウムは銀白色をした柔らかい金属であり、軽量である点が特徴です。この他、電池以外には光学ガラスや耐熱グリース、ガラスや陶器の添加剤などに利用されており、特に窯業(ガラス・陶器)関連の需要が多くなっています。
リチウム市場の最近の動向
リチウムの需要において大きな割合を占めるバッテリー関連ですが、脱化石燃料の時流とも相まって需要が急増しているのがEV(電気自動車)向けです。
EVの開発は国際的なトレンドとなっており、特に中国や欧州を中心に活発化しています。そしてEV向けのバッテリー用途において、多くのリチウムが必要となっています。こうしたことから今後もバッテリー向け(特にEV用途)の需要が市場を牽引していく見通しです。
今後の展望や課題について
天然資源としてのリチウムそのものの埋蔵量は比較的豊富にあるものの、急速な需要の高まりに伴い、価格は急激に上昇しました。加えてリチウムを生産できる国(豪州、チリ、中国、アルゼンチン)は限られています。こうした状況の中、今後もEV向けを中心に需要は右肩上がりで上昇する見込みであるため、資源確保に向けた競争は激化する見込みであり、今後も価格は大きく上昇する懸念があります。
また、脱炭素を目的に利用されるリチウムは環境に優しいイメージですが、実際は採掘・採集に伴う環境破壊が問題視されており、今後はこうした点がより問題になる可能性があります。このため、代替材料の研究やリサイクル技術開発が進められており、その開発動向次第によってはリチウムの市場動向も大きく変化するでしょう。
もし、リチウム関連の市場に参入する際、リチウムの需要動向や代々材料の研究、リサイクル技術の研究といった市場動向の把握は必須となるでしょう。
そうした市場動向の把握において役立つのが、市場調査会社の活用です。自社の調査では得られない有益な情報を収集できる可能性があり、今後の戦略を検討する上では大いに助けとなるでしょう。マーケティングリサーチコンシェルジュでは最適なリサーチ方法の提案を行い、あらゆる相談にコンサルタントが丁寧に回答します。今後の事業運営に悩まれている方は問い合わせをしてみましょう。