IaaSの概要を把握しよう
IaaSとは?
IaaSはInfrastructure as a Serviceの略であり、サーバーやネットワーク等のインフラをクラウドサービスで提供しているものを指します。
IaaSのメリット
IaaSのメリットは、サーバー等ハードウェアを必要な時に必要な分だけ利用できる点にあります。その都度の利用状況によって柔軟にスケールアップさせたりスケールダウンさせたりすることが可能です。
また、アプリケーションやミドルウェア、OSなどは自由に選択できる点はSaaSとの違いです。さらにIaaSの費用の多くは従量課金制であり、コストの無駄が発生しにくい点も強みだと言えます。
IaaSのデメリット
IaaSは自由度が高い分、ユーザー側でやるべきことが多くなってしまう点はデメリットです。また、IaaSではサーバーやネットワーク等のインフラは提供事業者の責任範囲で更新やセキュリティ対応してもらうことができますが、アプリケーションやミドルウェア、OSなどはユーザー側で用意するため、その部分の更新やセキュリティはユーザー自身で行う必要があり、ある程度これらの知識に長けた人物が必要となるでしょう。
このため、IaaSは上級者向けのサービスとも言えるでしょう。
IaaS市場の最近の動向
IaaS市場は世界レベルで年々拡大を続けています。IaaS市場拡大の理由はDXの進展に伴うITインフラ需要の拡大にあり、自社でインフラを用意せず、クラウド型のサービス(IaaS)を利用することで迅速にデジタル化に対応するといった動きが年々強まっています。
また、IaaSを提供する主な企業はアマゾンやマイクロソフト、グーグルといった世界的な企業であり、いずれも信頼感があります。最近では大企業に留まらず、中小企業においても導入を積極的に行うケースが増えており、国内においてもIaaSの需要は急拡大しています。
今後の展望について
IaaS市場は「DX化」と「新型コロナウイルスの影響」もあり、今後も拡大していくと見込まれています。DX化に対応するため、迅速に環境を整備したいと考える企業は今後も増え、それらの企業はIaaSを導入する可能性が高いからです。
また、新型コロナウイルスの感染拡大もIaaSの普及を後押しするといわれています。それは巣ごもり生活を求められているため、必然的に動画サービスやWebサイト等インターネットサービスを利用する機会が増え、これらのサービスを提供する企業がインフラ整備を拡大する際にIaaSを利用すると考えられるからです。
こうした状況からIaaS市場は今後も拡大していく期待されています。但し、IaaS市場においても大きな変化になると予想されているものがあります。それはエッジコンピュータの台頭です。エッジコンピュータとはデータセンターではなく、利用者に近い位置のコンピューターやサーバーで情報処理を完結させるものです。
この仕組みを用いれば、従来よりも通信コスト低減・低遅延化が実現可能といわれており、今後普及が進めば従来のクラウド型サービスの需要は減退する可能性があります。エッジ化は今後進展する可能性が高いとみられており、エッジコンピュータへの対応は必須となるでしょう。
今後もIaaS市場は成長が期待されていますが、技術の進歩は日進月歩であり、もし市場参入を検討しているのであれば、市場動向の把握は欠かせないでしょう。その際に役立つのが市場調査です。市場調査では市場動向や参入プレイヤーの動向に関する情報を収集することができ、今後の戦略を立てる際に役立ちます。
なお、市場調査に関しては専門会社に依頼した方がより有益な情報を収集できる確率が高まります。もし、参入を行うのであれば、こうした市場調査会社の活用を含め市場動向の把握にも努めましょう。