PaaSの概要と市場動向を把握しよう
PaaSとは
PaaSとはPlatform as a Serviceの略語で、アプリケーションの稼働に必要なプラットフォーム一式をサービスとして提供する形態を指します。PaaSの場合、サーバーの用意やネットワークの構築等は自社で行う必要がない(クラウド事業者側が提供・運用)ため、これらの環境整備を自社で行うよりも期間やコストは軽減されます。
PaaS市場の近年の動向
2019年における国内PaaSの市場規模は、前年と比べて大きく拡大しました。要因は、コンテナ(OS上にソフトウェアの起動に必要なソフトウェア本体・ライブラリ・設定ファイル等をひとまとめにした「コンテナ」を作成・起動させる技術)やマイクロサービス(小さなサービスを複数組み合わせてひとつの大きなソフトウェアを構築する技術)などへの需要が高まったためとみられています。
また、クラウド化への対応が遅れていた銀行や証券会社、保険会社といった金融機関においてPaaSの利用が進んだことが、市場規模拡大に繋がったとみられます。
今後の展望
クラウド関連の市場はまだまだ発展途上であり、これまでクラウド活用をしていなかった企業の利用が今後も進むため、市場の拡大は続くとみられています。経済産業省は2018年に発表したDXレポートの中で「2025年の壁」という言葉を用いて、既存のシステムを刷新しなければ時代から取り残されてしまうと警鐘を鳴らしています。
こうしたことから、民間企業においてはデジタルトランスフォーメーションの実現と絡めてPaaSの利用も増えていくと期待されています。また、政府も国の情報システムの整備に当たってはクラウドサービスを第一として検討する方針(「クラウド・バイ・デフォルト原則)を打ち出しており、その点もPaaS市場にとって追い風になると期待されています。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ベンターの開発案件中止も懸念されます。このため、PaaS市場への参入を検討している場合、市場調査を実施し市場状況の把握を行うことが欠かせません。
また、市場調査会社に業務を依頼するとより多くの情報を収集することが可能となり、市場規模に関する詳細情報やその背景、競合企業の状況に関する情報等を把握できます。Paasの業界は進展の著しいこともあり、状況は刻々と変化しています。新規で参入を検討している場合には必ず市場調査を実施し、常に最新の情報を収集しましょう。