プリント回路基板加工機とは? 加工の種類や選び方のポイントを解説!

プリント回路基板加工機は、電子機器に欠かせない電子回路(基板)を製造するための機械です。パソコンやスマートフォンをはじめ、あらゆる機器に必要な基板を作るため、現代社会においてなくてはならない存在です。

本記事では、プリント回路基板加工機の概要から、加工機の種類、選ぶ際のポイントを解説します。製造業のプロの視点に立って徹底解説します。最適な加工機を選ぶ判断基準を知り、製品開発・生産戦略に生かしましょう。

 

プリント回路基板加工機とは?

 

プリント回路基板加工機とは、設計データに従って切削やレーザー加工を行い、基板上に回路パターンを形成する装置です。
そもそもプリント回路基板とは、絶縁性の基板上に銅などの導体で、電子回路の配線パターンを形成したものです。電子部品を搭載する電子回路の土台となる部品で、パソコンやスマートフォンなど、多くの電子機器に使われています。
削る工程が入るため加工時間はかかりますが、金型やマスクが不要で試作品の製作や研究開発、多品種少量生産に適しています。一方で、大規模な大量生産を行う場合は、薬品で不要な部分を溶かす「エッチング加工」が主流です。
なお、プリント回路基板加工機の世界市場規模は毎年数億ドル単位で市場が拡大すると予測されており、需要は非常に旺盛です。

プリント回路基板加工機の種類

プリント回路基板加工機は、加工方式の違いによって主に「切削加工タイプ」と「レーザー加工タイプ」の2種類に分かれます。これらは価格や処理速度、対応できる基板の精度などに大きな違いがあります。自社の用途に合った加工機を選べるよう、それぞれの特徴と違いを詳しく見ていきましょう。

 

切削加工タイプ

 

切削加工タイプは、ドリルなどの工具を高速回転させ、不要部を削り落とす方式です。CADデータに基づき、設計通りに回路パターンを形成します。
加工には数種類の切削工具を使い分けるため、加工途中に工具の交換が必要です。手動交換・自動交換の2パターンあり、自動交換タイプは最初のセッティングだけで済むため効率的に業務を進められます。
また貫通穴(スルーホール)を開ける作業に適しており、複数枚をまとめて同時に加工することもできます。レーザー加工タイプより低価格なため、導入コストを抑えられるのもポイントです。

 

レーザー加工タイプ

 

レーザー加工タイプは、高エネルギーのレーザー光を照射し、熱で銅箔を溶かして蒸発・除去することで回路パターン形成や穴あけを行う方式です。
切削加工タイプより高速かつ高精度な加工が可能で、非貫通穴の加工を得意としています。また、工具交換が不要なため連続作業に向き、メンテナンス性にも優れています。
ただし、切削加工タイプに比べると高価で、導入コストが高くなるのがネックです。

プリント回路基板加工機を選ぶ際のポイント

プリント回路基板加工機の導入を検討する際には、押さえておくべきポイントが4つあります。どのような基準で選ぶべきか、ポイントを解説します。

 

  • ● 必要な機能を検討する
  • ● 価格相場とコストパフォーマンスを確認する
  • ● 使用目的に合った機種を選ぶ
  • ● 加工可能なサイズを確認する

 

価格相場とコストパフォーマンスを確認する

 

プリント回路基板加工機の価格相場は、数十万円から数百万円ほどです。切削加工タイプは低価格帯で導入しやすく、手動工具交換モデルが特に安価です。レーザー加工型は高速処理が可能ですが、高額で導入コストが高くなります。

選定時は本体の購入費用だけでなく、メンテナンス費や消耗品コストも加味してコストを比較しましょう。また耐久年数やサポート体制も重要です。特にサポート体制はメーカーによって異なるので、導入後を想定して、サポート内容が充実しているメーカーを選ぶのがおすすめです。

技術サポートや加工データの作成支援、試作分析・解析サービスなど、自社に必要なサポートが揃っているメーカーを選ぶことで、導入後のトラブルを防ぎ、コストパフォーマンスを最大化できるでしょう。

使用目的に合った機種を選ぶ

 

プリント回路基板加工機のタイプによって、できることや得意不得意が異なります。そのため、使用目的に合った機種を選ぶことも大切です。

  選ぶポイント
切削加工タイプ

● 多層基板で貫通穴(スルーホール)が必要な場合

● 導入コストを抑えたい場合

レーザー加工タイプ

● 貫通穴が不要な場合

● 加工スピードを重視したい場合

どちらも試作や少量生産を主眼に置くのは変わりませんが、使用目的によって向き不向きがあります。まずは、プリント回路基板加工機を「何に使うのか」を明確にしておくことが大切です。

 

加工可能なサイズを確認する

 

機種によって最大加工範囲が異なるので、自社で扱いたい基板サイズに対応しているか必ず確認しましょう。

基板外形のサイズは、一般的に**Mサイズ(250mm×330mm程度まで)とLサイズ(510mm×460mm程度まで)**の2種類に大別されます。

 

  • ● Mサイズ:250mm×330mmまで
  • ● Lサイズ:510mm×460mmまで

 

現在予定している製品はもちろん、将来的に製造する可能性のある製品も含めて「どのサイズの基板が必要になるか」を逆算して選定することが大切です。

 

必要な機能を検討する

 

加工目的に合わせた機種選びだけでなく、実用のしやすさをイメージしてオプション機能の導入も検討しましょう。

プリント回路基板加工機には、工具の自動交換機能(ATC)をはじめ、データ入力が直感的で扱いやすいモデル、オフィスや研究室でも使いやすい静音モデルなど、多様な仕様があります。

また、打ち抜いた個片を自動回収する機能など、オプションで機能を追加できるものもあります。使用する環境や作業員の熟練度などに応じて、必要な機能を選ぶことが大切です。

 

まとめ

 

プリント回路基板加工機は、設計データに基づき基板上に回路パターンを形成する機械です。主に電子機器の試作・研究開発など、多品種少量生産に適しています。

切削加工タイプは低価格で貫通穴加工に優れ、レーザー加工タイプは高精度・高速ですが高価です。選定の際は、コストや用途、加工サイズ、必要な機能を考慮することが大切です。

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