プリント基板の概要と市場動向を把握しよう

プリント基板とは

プリント基板は、コンデンサや抵抗器といった電子部品を搭載するためのものです。プリント基板においては部品の配置・固定と、回路の構成要素同士をつなぎ合わる役割があります。

プリント基板の分類

プリント基板には様々な種類があります。広く普及しているのがガラスクロスとエポキシ樹脂でできた絶縁層を持つリジッド基板です。そしてリジッド基板と比較して柔軟性を有するのがフレキシブル基板です。フレキシブル基板はこの特徴を活かし、折り畳み式の携帯電話等の折り曲げ部分や可動部分によく使用されています。

また、プリント基板は片面にのみ電子部品を取り付けるタイプの片面基板、両面に取り付けるタイプの両面基板があります。

このようにプリント基板は目的に応じ、複数の種類が使い分けされています。

プリント基板市場の動向

プリント基板市場は台湾・日本・中国・韓国の4ヵ国がシェアの大半を占めています。特にシェアが高いのが台湾や中国です。特に中国は自国の市場規模が急拡大しており、産業機器やセキュリティー機器、自動車モジュールなど幅広い分野において中国製の製品が採用されています。

また、中国はプリント基板の分野において世界最大の生産拠点となっており、台湾や日本のメーカーも中国内の工場で生産を行っています。中国は補助金等の政策によりプリント基板産業の拡大に力を入れており、今後も市場を牽引していく存在となっています。

今後の展望について

あらゆる電子機器に搭載されているプリント基板は、今後も市場が拡大している予想されています。特に需要が旺盛になると見込まれているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)分野やEV分野です。DX分野においてはコロナ禍の影響に伴いリモートワークや遠隔授業の普及が進み、ITインフラ分野やPCやタブレットといった電子機器分野の需要が急拡大しました。コロナ禍の影響が軽減されたこともあり、電子機器分野の需要は落ち着いてきているものの、今後もITインフラ分野の需要を中心に市場は拡大していくと見込まれています。

EV分野においては、EVの心臓部であるパワーモジュールの絶縁基板として窒化珪素(SiN)基板が注目されています。窒化珪素(SiN)基板は、今やパワーモジュールの回路基板として業界標準ともいえる存在となっており、厳しい環境下で作動する必要がある自動車関連の用途では、熱膨張や衝撃に強い窒化珪素(SiN)基板の需要が伸びると期待されています。

国際情勢の悪化に伴い、プリント基板に関連するサプライチェーンの不安定化は懸念材料であるものの、今後も需要の拡大が見込まれます。

なお、プリント基板の業界は他の業界より変化が早いため、絶えず最新の状況を注視する必要があります。しかし、自社のリソースのみでは十分に状況を把握できない可能性があります。そうした際に役立つのが専門の市場調査会社です。市場調査会社を活用することにより、自社では得られなかった有益な情報を収集できるかもしれません。特に今後の事業戦略を検討される場合には、こうした市場調査会社の活用も視野に入れておきましょう。

 

 

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