配線材料向けPVCの概要と市場動向を把握しよう

配線材料向けのPVCとは

プラスチックは様々な器具や部材に使われる素材です。そのうち、PVC(ポリ塩化ビニル樹脂)は「塩ビ」とも略称され、クロロエチレン(塩化ビニル)を重合させたプラスチックの一種であり、「polyvinyl chloride」の頭文字を取って「PVC」と呼称され、水道管などの素材として利用されます。また、PVCは軽量で柔らかく加工がしやすいこと、絶縁性と防水性、耐薬品性や難燃性の高さがメリットです。一方、デメリットは耐熱性の低さ・耐衝撃性の低さなどが挙げられます。

PVCには硬質と軟質の2種類があり、硬質タイプはパイプや成型部品類、軟質タイプは接着剤やフィルムなど幅広い用途で利用されており、配線材料としても用いられています。具体的には電線保護材や外部被覆材などで、電化製品のケーブルなどにも利用されています。被覆材においてはPVCのメリットである電気絶縁性の高さ・酸やアルカリへの強さ・薬品耐性の強さ・耐水性の高さ・難燃性の高さ・価格の安さ・加工の容易さといった特徴が活きやすく、多く採用されています。

配線材料向けPVCに関する動向

配線材料向けPVCは、アジア太平洋地域を中心とした新興国における需要が牽引する形で、生産量・売上は増加傾向となっています。これは当該地域においてインフラ整備や建設需要が増加し、電設資材向けのPVCのニーズが高まっていることが影響しています。また、PVCは他のプラスチック素材とは異なり化石燃料の依存度が低く、大量生産が可能なため、脱炭素の時流にもかなった商材であることも需要を押し上げている要因となっています。一方、パソコンなどの情報機器や音響機器、家電等のワイヤレス化が進んでいることから、関連するケーブル等の部材の需要は減少傾向であることが懸念材料です。

今後の展望について

今後もアジア太平洋地域を中心に配線材料向けPVCの需要は高まると予想されています。

一方、景気動向や政府の方針(公共事業への投資)によって需要は大きく変化されるため、その動向には注視が必要でしょう。また、原材料価格の上昇もリスク要因です。特に比較的安価であるPVCにおいて、原材料価格の上昇は需要に影響が出ると予想されます。

こうした市場動向や今後の需要予測を行うには継続的なマーケティングリサーチ、市場調査の実施が必要です。特に大きな費用を掛けて行う新製品の販売を行う際、市場調査の実施は欠かせないでしょう。

自社で市場調査を行うことも可能ですが、リソースの問題や収集できる情報が限られる可能性があります。 このため、専門的な知識とノウハウを有するリサーチ会社に依頼することをお奨めします。

マーケティングリサーチコンシェルジュではコンサルタントがそれぞれの事情に合わせて最適な提案を行います。これから取り組もうとしているビジネスにとって、有益で実践的な情報を得ることができるでしょう。

 

 

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