原材料のリサイクルの概要と市場動向を把握しよう

原材料のリサイクルとは

原材料のリサイクルとは「マテリアルリサイクル」とも呼ばれ、廃棄される原材料を新たに原材料として再利用することを指します。リサイクルには、原材料のリサイクルのほか、熱エネルギーを回収する「サーマルリサイクル」、廃棄物を化学合成して別の物質にしてから原材料として再利用する「ケミカルリサイクル」などいくつかに分類されます。

この内、原材料のリサイクルにおいては主に木くずや金属くず、プラスチックなどがリサイクルの対象です。

中でもプラスチックは商品の製造過程や流通段階で発生する廃プラスチックが多くを占めていましたが、現在はペットボトルをはじめとした家庭ごみから出るプラスチックもリサイクル対象として増加しています。そのため、原材料のリサイクルは誰にとっても身近なものになっているといえるでしょう。

原材料のリサイクル市場の動向

資源・エネルギー問題やごみ問題が世界的に深刻化している現代において、廃棄された資源を再利用することによって資源を有効活用し、環境負荷を減らす取り組みは多方面で進められています。

国内企業の取り組みとしては帝人と富士通がドイツのV Frames社、Advanced Bikes社と共同で自転車のフレーム用リサイクル炭素繊維の資源や環境負荷のデータ収集・管理のため、2023年1月に「資源循環における環境価値化実証プロジェクト」を発表しました。

また、2012年に国内の清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを採用したサントリー食品インターナショナルでは、CO2排出量低減が見込まれるペットボトルの水平リサイクル「ボトル to ボトル」を積極的に推進するとともに、化石由来原料の新規使用ゼロ、かつすべてのペットボトルにリサイクル素材または植物由来素材のみを使用する「ペットボトルの100%サステナブル化」の目標達成を掲げています。

さらに世界各地で衣料品ブランド「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングでは、リサイクル素材を使用した商品を展開していますが、さらにサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目標に、衣料品のリペア(補修)とリメイク(お直し)への本格的な取り組みを発表しました。イギリスの店舗内に専用コーナーを設けたことを皮切りに、2022年10月には東京都内の店舗でもリペア・リメイクサービスを開始し、現在は国内8店舗で対応を行っています。

今後の展望について

原材料のリサイクルなどリサイクル市場は、今後も成長が見込まれている分野です。特にアジア太平洋地域では衛生面や廃棄物管理に対する意識の高まりに加え、各国政府と民間がリサイクルに対する取り組みを強化しており、リサイクル市場の主要地域の1つとなっています。また、市場成長率は北米や欧州並みに高まると予想され、市場全体の成長率を押し上げることを期待されています。

原材料のリサイクル市場においては、特にプラスチックのリサイクル市場の拡大が見込まれており、10年後には現在の2倍の市場規模まで拡大すると期待されているため、マーケットの約7割を占めるアジア太平洋地域が成長を牽引するとみられています。

日本国内においても環境に配慮する企業が増えたことに伴い、再生プラスチック市場の拡大が予想されており、2030年代中盤には再生プラスチックとリサイクルペットボトルはいずれも、現在の2倍以上の市場規模への成長が期待されています。

このように今後成長が見込まれる原材料リサイクル市場ですが、領域によって有望度は異なります。このため、今後の業績拡大に悩まれている、または成長が見込まれる市場への新規参入を検討している企業はまず市場調査を行い、市場動向等に関する情報の収集を行うことが重要です。

その際は、経験豊富な専門の市場調査会社を活用し、市場調査やマーケティングリサーチを積極的に実施することをお勧めします。当該サイトのマーケティングリサーチコンシェルジュでは領域別市場規模やその動向に関する調査の提案から、調査の実施・報告まで一連の作業に対応しています。もし、今後の事業方向性に悩まれているのであれば、一度マーケティングリサーチコンシェルジュへ相談してみてはいかがでしょうか。

 

 

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