サーバーの概要と市場動向を把握しよう
サーバーとは
サーバーとは、利用者のリクエストに対して応答するコンピュータやプログラムのことをいいます。例えば、パソコンやスマートフォンで特定のWebサイトを見る場合、URLを入力してエンターキーを押します。これはIPアドレス(Web上の住所)を管理するサーバーに対して、閲覧したWebサイトの表示をリクエストする行為です。サーバーではWebサイトの各ページのデータを保管しており、リクエストのあったサイトの画像・HTML・CSSなどのデータを提供することによってURLの入力後に該当のWebサイトが表示される仕組みとなっています。
サーバーは大きく分けると、物理サーバーと仮想サーバーに分類できます。物理サーバーとは物理的に存在するサーバーを指します。また、物理サーバーは共用サーバーと専用サーバーに分類されます。共用サーバーは、複数の利用者でシェアして利用できるサーバーのことで、いわゆるレンタルサーバーのことです。低コストでメンテナンスの手間がかからず利用できるメリットがある一方、設定などをカスタマイズできない、他のユーザーの利用状況によって処理に時間を要する可能性があるのがネックです。
専用サーバーは物理サーバーを占有して利用するため他者の影響を受けない他、使い方の自由度も高いです。一方、サーバーの運用や構築を行う手間やコストがかかるのがデメリットです。
次に、仮想サーバーとは1台の物理サーバーを複数のサーバーが存在しているかのように稼働させる仕組みです。また、仮想サーバーはVPSとクラウドサーバーに分けられます。
VPSはVirtual Private Serverの略称で、仮想専用サーバーとも呼ばれます。1台の物理サーバーを複数人でシェアするものの、利用者ごとの利用環境が仮想サーバー上に構築されるため、他者の影響を受けにくく、使用するOSやアプリなどの自由度も高いのが特徴です。一方、クラウドサーバーはクラウド環境上に作られたサーバーです。サーバーの機能が複数台に分散され、必要に応じてCPU・メモリを自由に設定できるため、利用者のニーズに応えやすいといえます。
サーバーの用途(種類)には、次のものがあります。
• Webサーバー
• メールサーバー
• ファイルサーバー
• データベースサーバー
• DNSサーバー
• アプリケーションサーバー
• FTPサーバー
Webサーバーは、利用者からのリクエストに応じてWeb上のデータを送り返すサーバーです。HTMLやCSS、画像ファイルなどがデータの代表例として挙げられます。
メールサーバーは、メールの送受信をするサーバーです。送信側と受信側でそれぞれ別のサーバーとなっています。
ファイルサーバーはWeb上でデータを共有したり、使用したりするためのサーバーです。複数のサーバーやパソコンOSのクライアントパソコン間で、スムーズにデータ共有できる特徴があります。
データベースサーバーとは、リクエストに応じてデータベース上にあるデータを送り返す役割を持つサーバーです。例えば、ECサイトで条件を絞り込んで検索を実施する場合などにはデータベースサーバーが活用されます。
DNSサーバーとはリクエストに応じてIPアドレスとドメインを結びつける役割を持つサーバーです。Web上の住所であるIPアドレスをWebサイトの名称(=ドメイン名)に変換して、表示させたいサイトにアクセスできるようになっています。
アプリケ―ションサーバーとはリクエストに応じてJavaやphpなどのプログラムを実行し、必要なデータを取り出して結果をWebサーバーに戻す役割があります。
FTPサーバーは、Webサーバーとのファイルの送受信をするサーバーです。ファイル転送プロトコルとも呼ばれ、利用者がコンピュータからサーバーにデータをアップロードしたり、サーバーからデータをダウンロードする際に利用されます。
サーバー市場の動向
近年、国内のサーバー市場は縮小傾向となっています。これは従来の物理サーバーからクラウドタイプへの移行が進み、数量は減少傾向となっています。一方、平均単価は向上しており、今後はクラウドタイプのサーバー利用を軸とした市場への転換が中心になると見込まれています。こうしたことから、今後もサーバーの市場はある程度堅調に推移すると見られます。
今後の展望について
コロナ禍の影響等に伴うサプライチェーンの混乱もあり、一部の製品の供給不足などが発生したものの、そうした状況はすでに改善され、市場は回復基調になってきます。但し、世界経済の状況が不透明であり、今後も右肩上がりで市場が回復するとは限らない状況です。このため、今後の市場動向を良く見定める必要があるでしょう。
このようにサーバー市場の動きは不透明であり、もしサーバービジネスに参入し、成功させるには最適な市場の見極め、今後の戦略の決定においては市場調査やマーケティングリサーチによるマーケット動向把握・予測が重要です。しかし、自社での市場調査はリソースの確保が難しく、得られる情報にも限りがあります。
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