SFAの市場調査を行おう
SFA業界の現状
SFAは営業支援ツールとも呼ばれ、1990年代の前半に米国で誕生し、後半には日本でも導入が始まりました。SFAはCRMと並ぶ代表的なセールステックであり、営業活動の生産性を向上させるツールに位置づけられています。
SFAが営業活動の管理を主な目的としているのに対し、CRMは顧客情報を管理し、良好な関係構築を目指すものですが、どちらも業績の拡大を図る上で有用なツールである点では同じです。 昨今の市場調査においては、こうしたセールステックを導入、活用している企業が年々増加傾向にあります。
SFAにおいては日本に紹介されてから20年間、導入企業は一部にとどまり、十分に活用されているとは言い難い状況が続きました。これは、日米の商習慣の違いが要因といわれています。
米国ではマーケティング部門の立案した戦略に基づいて営業活動が行われるのに対し、日本では営業部門の権限が強く、これまでの経験に頼った営業も少なくありません。
しかし、昨今の働き方の改革における業務効率化への意識の高まりから営業活動の効率化に役立つSFAに注目が集まっています。
SFAにおける課題
少子高齢化の進展による労働人口の減少に伴い、日本企業ではこれまで以上に生産性向上が課題となっており、その解決策として業種や業界を問わず生産性の向上にはITの活用が不可欠です。
一方、中堅、中小企業においてはITの活用には多額の費用がかかることやITリテラシーの高い人材の確保が難しいという課題があります。SFAにおいても中堅、中小企業は導入実績が少ない状況です。しかし、日本に紹介されて20年以上が経ち、米国的発想に基づいてつくられたSFAは日本式営業スタイルに合わせて進化しています。
ITリテラシーの低い人でも直感的に使えるインターフェイスの採用、使い勝手の良い特定の業界や業種向けの製品も登場し、導入のハードルは下がっており、働き方改革の流れも後押しし、今後も大幅な成長が期待できる市場といえるでしょう。
但し、導入企業の多くは効果を実感している一方、運用に想定以上の負荷とコストがかかる点を課題と感じていることや、機能が多すぎて使いこなすことができないといった点も課題となっており、これらの解決も普及に向けて必要なことでしょう。 また、セキュリティ対策も重要な課題です。
現在は自社でセキュリティを管理したいというニーズからオンプレミスの提供が主流となっていますが、今後はクラウド型でサービスを提供する企業と増加するといわれており、その進展に注目をしましょう。
SFAに関する市場調査
SFA業界について動向を把握するには、まずインターネットを活用したオープンデータの収集が考えられます。しかしながら、IT業界は動きが早く、動向を正確に把握することは難しいのが現実です。
また、SFA業界に関する市場動向の情報は一部、インターネットでも収集できますが、詳細は把握できません。つまりネット上で得られる情報は限られているのです。さらに、SFA業界の全体動向を把握するには各ベンダーの業績動向、ターゲット業界、製品内容などをそれぞれ把握していく必要があります。
こうした作業を自社で行うのは相当な労力が必要となってしまいます。そういった際に役立つのが専門の市場調査会社です。IT分野とマーケティングに関する知識に長けた専門の調査員が要望に応じた情報収集を行い、自社にとって有用な情報の入手に努めてくれます。
市場のニーズを正確に把握し、今後の企業活動に役立てるには、市場調査会社の活用も積極的に検討しましょう。