肌診断機の概要と市場動向を把握しよう
肌診断機とは
肌診断機は一般光や紫外線光等の光源で顔面を撮影し、皮脂量や肌年齢、毛穴の開き、水分、ニキビ菌やしわ、毛穴、弾力といった肌に関する多くの要素を測定できる機器です。
肌診断機では多角的な視点から肌の状態を観察できるため、スキンケアの問題点や肌トラブルの正確な原因まで把握可能です。また、肌の深層に位置するメラニンの所在も見極められるため、将来発生するシミの位置まで予測できるものもあります。
加えて画像による分析であるため、誰が行っても精度が高い測定結果を得られます。また、肌診断機は即座に測定が可能なことも特徴的であり、早いものであれば30秒程度で診断が完了します。このため、肌診断機は化粧品の使用前後に利用することにより、効果を検証する目的で利用されます。また、肌の状態を確認し、改善を行う美容サロンにおいても肌診断機は利用されています。
肌診断機市場の最近の動向
肌診断機は化粧品の販促支援ツールとしての需要が堅調であり、市場は拡大傾向にあります。主に店頭でのカウンセリング時に肌診断機が使われてきましたが、最近では美容液の貸し出し定額サービス提供時に、肌診断機を使用するケースも出ています。これは顧客の自宅へ化粧品とともに肌診断機を送ることにより、化粧品の効果を自ら測定してもらうサービスです。
これまで化粧品業界は従来の不特定多数に対して大量に商品を売る「マスマーケティング」が中心でしたが、近年は顧客ひとり一人に適したものを売るパーソナライズ化に販売手法をシフトしています。そのため、個々人の肌状態を測定するカウンセリングの需要が伸びています。また、カウンセリングはリアル店舗でしか体験できないサービスとなっていましたが、近年は通販化粧品業界でも肌診断サービスを実施する企業が増えています。
遠隔での肌診断サービスの場合、プロの目が十分に行き届かず、詳細な分析が難しいことが課題となっていましたが、現在はサービスも進化を遂げ、詳細な分類項目によるきめ細かい分析が可能となりました。こうしたサービスの需要の高まりは肌診断機の需要にも好影響を与えています。
また、化粧品業界の注目市場となっているメンズコスメ市場においても、肌診断機のニーズは高まっています。男性客に対しても肌解析サービスやタッチアップ体験などのサービスが取り入れられており、肌診断機によって化粧品の効果を実感できればコスメ用品の購買率向上につながります。こうしたことから、肌診断機の利用シーンはますます増えており、今後の需要拡大が期待されています。
今後の展望や懸念点について
肌診断機市場において好影響と考えられるのが、パーソナライズ化粧品への需要の高まりです。化粧品は膨大な種類があり知識を持っていない消費者にとっては、自分に適した商品を見つけることは容易ではありません。このため、コストは多少かかっても自分に合う商品を見つけ、使いたいと考えるニーズは高まっており、そうした点において肌診断機の需要は伸びると期待されます。
一方、肌診断機の課題となっているのが製品の統一規格がないことです。各メーカーがそれぞれ独自の評価システムを使用しているため、機器によって測定結果に違いが出てしまいます。したがって、より普及を図るためには統一規格を設けることによって、消費者の信頼性も高めていくことが求められるでしょう。加えて、普及に向けてはコンパクト化や低価格化などの進展も欠かせません。
このように、今後の肌診断機の市場を予測するには要因の分析や足元の動向把握が必要となりますが、自社だけで行うとなるとリソースの問題もあり容易ではありません。その際に役立つのが市場調査会社の活用です。市場調査会社を活用することにより、自社のみのリサーチでは得られなかった有益な情報を収集できるかもしれません。市場調査を実施する際は、市場調査会社の活用も積極的に検討しましょう。