繊維産業において市場調査を行おう

伝統産業からハイテク産業へと転換

繊維産業は、かつては日本の輸出産業の中核を担っていました。しかし1950年代半ばから製造業に占める割合は低下を続けています。 その大きな理由は、日本に比べてはるかに低い人件費を背景に、中国や東南アジアの繊維産業が急速に成長し、日本の繊維作業を圧迫しているためです。

このため、国内の繊維業界は縮小傾向が続いていました。 経済産業省がまとめた分析報告では、世界規模で見ると繊維の需要量は大幅に増加している一方、国内生産は減少を続け、事業所数も製造品出荷額も減少が続いていました。

しかし、2010年以降はこうした現状に歯止めがかかり、横ばい傾向となっています。 その理由の一つに、厳しい生存競争を勝ち抜いた日本の大手企業が、2010年前後から海外企業のM&Aを展開するようになったことが挙げられます。

特徴的なのは、自動車部品を製造する会社など、一見すると繊維と無関係のようにも思える企業も買収対象にしていることです。 従来の衣料品向けの素材にとどまらず、中国などの競合他社が簡単には手を出せないようなハイテク素材の開発や製造へかじを切り、自動車や海外航空機などの産業へ事業を展開しています。

このように、高い技術を誇る日本企業独自の強みを活かし、世界シェアの高い中国などとは異なる分野へ手を伸ばすことにより、国内の繊維産業市場は堅調に推移しています。 国内の衣料品製造に限れば縮小していますが、他の分野の伸長は目覚ましいものがあるので、新規参入や投資戦略を練る企業も多くなっています。

もし、新規参入を検討しているのであれば、適切な経営判断に役立つ情報を収集できる専門の調査会社による市場調査を実施しましょう。

新素材開発の拡大で将来有望な分野

経済産業省がまとめた分析報告では、世界的に見た今後の繊維産業は引き続き成長産業のカテゴリーに位置付けられています。天然素材は横ばいですが、日進月歩の化学素材は年々伸び続けると予測されており、今後は衣料品だけでなく、自動車やエネルギー分野において高機能素材の活用が期待されています。

中でもパラ系アラミド繊維は、極めて強く弾性がある素材の特性を生かし、光ファイバー向けの部品や防弾チョッキなど様々な用途での使用が期待されています。その他の素材においても軽量、弾性や難燃性が高いといった特性が評価され、自動車や航空機製造向け、おむつやマスクなどの衛生製品向け、カーペットなど生活資材向けなどにおいて、多くの需要が獲得できると期待されています。

特に強い伸縮性を有していたり、スプリング状へ容易に加工できたりする素材は高度な柔軟性をもたらすので、スポーツウエアや骨折時に体を合理的に包み込むサポーター、紙おむつなどへの応用が見込まれています。 こうした高機能素材は、日本の高い技術力で生み出されたものが多く、経済産業省の報告では、日本の繊維産業は今やハイテク産業へと脱皮しつつあり、強靭性や耐熱性など、従来の繊維と比べて、格段に高い性能を発揮する高機能素材の開発技術が世界をリードしていくと期待しています。

市場調査会社を積極的に活用しよう

現在の繊維業界は高度化と多様化が進展していることから、将来にわたって有望という予測が増えています。

このため、この分野への参入や技術力がある中小企業のM&Aなどを検討する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、このハイテク素材は極めて高度な開発力が必要であり、ビジネスとして成立するかどうかの見極めは容易ではありません。

その素材の優位性、市場への展開、中長期的な視点での利益確保など、多面的な分析が必要です。しかし、こうした先端素材にかかわる分野において必要な情報を収集するのは容易ではありません。 インターネット上にある情報では十分とはいえないケースも多く、信憑性も低くなってしまいます。

そのため、市場調査を専門に行っている企業に業務を依頼するのが賢明です。 市場調査会社を活用することで、自社では収集できない情報が得られ、これまでと異なる新たな知見を有することができるかもしれません。そういった情報を元に事業戦略を立てることができれば、成功確率も高まるでしょう。

もし、新規での参入を検討しているのであれば、市場調査会社を積極的に活用しましょう。

 

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