超音波診断装置の市場動向

超音波診断装置とは

超音波診断装置はX線CT装置、MRI装置といった医療用画像診断装置の1つです。 被ばくのない非侵襲であり、診断対象の動きをリアルタイムで観察できるため、超音波診断装置は、医療現場で広く普及しています。

最近では検査室に限らず、患者が検査を受けやすい場所(ベッドサイドや救急現場など)で診断を行うPoint-of-Care超音波へのニーズも高まっており、超音波診断装置の需要も堅調に推移することが見込まれます。

超音波診断装置は腹部や乳房、頸部などにおける腫瘍の発見、良悪性鑑別等に活用される他、血流や血管の動き、組織の硬さなどの測定にも活用されており、利用される分野は多岐に渡っています。

現在の超音波診断装置において課題となっているのが、小型軽量化や低コスト化です。これはPoint-of-Careの観点により、使いやすく・導入のしやすいものへのニーズが高まっているからです。 こうした課題を解決する技術としてMEMSを用いたcMUTは、小型軽量化、低コスト化実現の切り札として注目されており、すでに乳腺検査において実用化されています。

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世界市場でのニーズについて

ヘルスケア関連産業は世界的に需要が見込め、大きな成長が期待されています。 中でも医療機器は、中国などアジアを中心に市場が急拡大すると予想されています。但し、拡大傾向にある医療機器の世界市場においては日系メーカーのシェアは小さく、欧米系メーカーが市場を握っている状況です。

一方、診断機器の分野の一部では日系メーカーが大きなシェアを占めており、政府も世界市場でのシェア拡大を支援しています。超音波診断装置においてもシェア向上を図るべく、各メーカーは取り組んでいます。

超音波診断装置の市場は、据置型が成熟期にある一方、ポータブルタイプは高成長を続けています。なお、地域別にみた場合、米国が超音波診断装置における最大の市場であり、ヨーロッパ、アジア太平洋地域がこれに続きます。

超音波診断装置を含む医療機器分野においては、市場規模の見極めやコストなどに加え、規制への対応や知的財産対策がより重要な業界です。 もし、このような業界でビジネスを成功に導くためには入念な市場調査は必須です。特に専門性の高い医療機器分野においては、この分野に強みをもつ市場調査会社に業務を依頼することをおすすめします。

今後の技術開発の方向性

市場参入にあたっては、今後の技術開発の方向性も把握すべきでしょう。超音波診断装置においては小型軽量化に加え、画質の向上に対するニーズが高まっています。

超音波診断装置ではリアルタイムに3D画像を得るためには、装置本体だけでなく、画像を取り込むプローブの性能向上が不可欠となっています。プローブの形状を球面にすることや広帯域化などが課題となっていますが、cMUTを活用することでこうした課題の解決が期待されています。

また、持ち運び可能な超音波診断装置は、医療以外の介護やリハビリ、スポーツなどの分野での利用が期待されており、併せてスマートフォンやタブレットでの画像確認が進むとみられています。 さらに、超音波診断装置で適切な測定結果を得るには操作熟練の技術が必要ですが、利用範囲が広がる中で操作者の技術に依存せず利用できる装置の開発が求められています。

このため、現在注目されているのがAIやビッグデータを活用であり、今後の技術進展が期待されています。 このように超音波診断装置においても様々な技術トレンドがあります。もし、超音波診断装置の業界への参入を検討しているのであれば、市場調査会社を活用してこうした技術トレンドの動向を把握することをおすすめします。

 

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